2018-01-01から1年間の記事一覧

今年の振り返りと新年の予定

ざっと振り返ります。 1月 岡山自作AIの会を発足しました。 どうしても金の臭いがしてしまうのでなるべく泥臭い命名です。 但馬先生に協力頂いて,結局私が3時間くらい喋ってた気がします。 チームメイト募集にノーリアクションが予想外でした。 応募者が居…

GPWに参加してみて

屋外での立ち仕事の影響か喉をやられたまま出張してきました。 大阪で一件発表の後,箱根でゲームプログラミングワークショップ。 Game Programming Workshop 例年箱根の研修施設で合宿制で行われているとのこと,初参加でしたが堅苦しくないところの交流が…

プログラマーとは違うかも

岡山でローカルなものを幾つか立ち上げてきた。 地域の草ITコミュニティもその一つで,もう10年以上になる。 小さなイベントは数えきれないが,近頃プロ化しているように感じる。 登壇経験豊富な人だけが登壇するというような傾向と同時に,参加者がその分野…

認知バイアスの話

認知バイアスの話。 若者が感じる閉塞感の話題で「心のクラッチ」と言うキーワードを得た。 周囲のスピード、特に目立つ人や情報のスピードと、自分の歩みの違いが、嫌でも見えてしまう。これは確かに現代の特徴かも知れません。精神的クラッチをうまく使っ…

お金の話

オセロの世界王者は食えないそうです。 news.nifty.com コンピュータ将棋の世界王者も食えない感じです。 大赤字です!!! #昨年の電王トーナメントと通算では黒字ですが — 48 (@bleu48) October 29, 2018 先月の広島で出したスライドなのでもう隠すような…

Hefeweizenの特殊性

あんまり理解されてないようなので,一番分かりやすいスライドをちょっとネットに乗せてみる。 少々冗談のような世界が理解頂ければ幸いである。 ちなみにCSAルールでは1秒未満切り捨て,1秒以上は切り上げなので2秒の消費時間というのはどこかで1回通信遅延…

最後の審判

最近知ったネタ。 詰将棋作品?『最後の審判』 (Koji Nuida) 将棋ルールの定義にまで遡る名作である。 連続王手の千日手を探索に入れた解釈に依存する詰み筋。 ちなみに,手元の計測では著名な詰み探索エンジンの背尾詰,なのは詰めの両方で不詰み扱いであっ…

補足的な話

先週末土曜日に広島でコンピュータ将棋の話をしてきました。 県外で依頼を受けて話したのははじめてです。 hiroshima.pycon.jp 私のリスペクトする如法さんから依頼頂いたってのが他を蹴ってたのに受けた理由のひとつです。もうひとつは酒祭かなw まぁ,そ…

Macで将棋所を動かす話

Mac(Sierra)のMono 4.0.5とかで将棋所動く情報もあるけれど、なんか立ち上がんないな(´・_・`)Wineだと立ち上がるけれどエンジンもWindows版を要求されるのでちょっと違う(´・_・`) — 平岡 拓也‹‹\(´・_・` )/›› (@HiraokaTakuya) September 21, 2018 なんか妙に早…

棋譜解析の話

コンピュータ将棋の役に立ってるところのひとつだと思う棋譜解析についてちょっとメモっておく。 棋譜解析ってのはその棋譜が誰によって作られたものであれ,それをコンピュータ将棋の手法で解析していくものである。コンピュータの棋譜であれば当然ミスが少…

将棋電王トーナメント終了だそうな

将棋電王トーナメント終了だそうです。 私は昨年の第5回に参加させて頂きました。まぁ,幸運にも準優勝しました。 dwango.co.jp 去年の今頃はせっかくshotgun作ったので隅っこで参加させてもらおうかと秋のスケジュールを確認してたくらいですかね。 丁度出…

不用意にchainer5.0.0b3を入れたメモ

環境構築の覚書 今回はchainerの対応 まず,pythonを入れる。 Windows10の64ビット対応で普通に入れたら十分だが,今回は3.7.0か3.6.6かで迷う。 保守的に3.6.6としておく。 VS2017これは最新を入れてみる。 今はこれでいいらしい。必須事項はC++の開発環境…

将棋電王トーナメントの雑記

なんだか風のうわさだと今年もあるっぽい。 それも10月スケジュールだそうなんだが、7月下旬で公表されてないのはさすがに厳しいんじゃないかな。 個人的にはもう10月予定は半分ほど埋まってるので参加できないかもしれない。 昨年と同じ11月上旬と思…

コム将ほどpythonを使って欲しい

この記事はpython-shogiの宣伝です。あしからず御了承下さい。 コンピュータ将棋界隈では諸々の事情でC++の天下です。 しかしながら,pythonでできることも沢山ありますし,pythonの方がいいことも沢山あります。 たとえば,コム将対戦の場であるfloodgateの…

千田先生の定跡への機械的回答

定跡も公開でしたので,公開私信モードです。 遅くなってすみません。 以下の計算自体は先週末に終わっておりました。(それでも約3日) うちの定跡との照らし合わせがまだですが職務等で少々時間かかりそうなので,機械的な部分だけ先行します。 具体的には…

長時間戦でのAperyについて

bleu48.hatenablog.com 前回の続きですが,あんまり長いので別にします。 i9をフルに使って長時間戦(持ち時間30分)を行ってましたが,なんと再起動されており以下の数で中断しておりました。感想戦ばかりしていられないのでこの辺で切らせてください。(以…

まぐれ度計測の話

選手権優勝の件,やはり出来過ぎ感があります。 ネタっぽく世界チャンピオンですと言ってもなんか笑い以外のモノが混じる感じです。 昨年と同じように順番に検証していきたいと思います。 今回の我々のチームはエンジョイ勢なので何より楽しめるかどうかに重…

コンピュータ将棋選手権の話

早めに書いておかないと熱が冷めるので書こうと思いますが,あれ以来睡眠周期が乱れて酷い体調になってるのでこんな時間でもあるし,きっちり整理できてる気がしません。 まぁ,いつもの追記にするか訂正することを前提にメモっておきます。 アピール文の話 …

技巧型の評価関数

github.com 前回,ちょっとだけ強くなったのが出来たってやつを公開しとく。 選手権本戦で使うかどうかは未定。 割とモダンな差し回しをするのが分かると思う。学習データの差かな。 探索部は未検証過ぎるので保留。 選手権後に考えることにする。

第28回世界コンピュータ将棋選手権の成り行き予想(4/14 ver)

前回の追記でもいいんだけど,前回も長いので新規に立ててみた bleu48.hatenablog.com 各チームのアピール文書に対して運営から追記の依頼があったようだ。(うちにも) 更新情報や漏れ聞こえる噂などを加えて更に状況分析してみる。 リモートのマシンを使う…

将棋とチェスの違い(Stockfishを参考に探索部を強化する際の注意点)

以前も少し書いたけど,将棋は終始40枚の駒を使うがチェスは駒が減る。 また,将棋は歩や桂馬などの自由度の低い駒が多い上,長距離移動可能な駒が少ない。チェスにおいてはルーク2枚,ビショップ2枚,クイーンと大きく動ける駒が多い。 これにより探索難…

技巧2調べ(ベンチマーク編)

技巧2にはベンチマークコマンドが用意されているが,公式配布バイナリは学習部と共に無効化されている。 Linux環境を構築して自前ビルドすればいいのだが,まぁそれも面倒なのでどんなベンチマークをしてるか確認して,それをコマンドラインから同じことを…

floodgateの不具合について

floodgate 昨年から遊ばせて頂いている。 基本的に感謝しかないのでサポートできることがあればしたいのだが,そもそもどういう運営をされているのか理解していない。 最近酷い不具合を見つけた。 対戦相手はレートの近い人とと公式にあるが,このときに使わ…

第28回世界コンピュータ将棋選手権の成り行き予想(4/4 ver)

タイトルまるパクリです。(オマージュとかリスペクトとかインスパイアと読み替えて頂いても結構です。) 昨年も各チーム動向を予想されていたと思うのですが、大半の分析には納得させられます。 qhapaq.hatenablog.com 引用して何を書こうとしたのかという…

計測値の雑記

昨日は休日でしたので空いてるマシンで色々計測してました。 なんとかチャンネルで話題の最新読み太(今年更新のkppt_file版) 【エンジン】読み太、やねうら王4.80(どちらもaperypaq評価関数) 【勝敗】27-11-117 (200戦予定を途中ストップ)【持ち時間】10分…

技巧2改造記録(中間報告)

オープンソースのわりにあまり弄られていない気がする技巧ですが, うちでは以前よりスパーリングパートナーとして教材として遊ばせて頂いております。 bleu48.hatenablog.com 前回の続きで教師局面を作成し強化学習を試みました。 計算時間はi9-7980XEをも…

コンピュータ将棋の調べもの(主に自分用メモ)

新しい取り組みをするときに先行者の成果を調査します。 研究者だとサーベイと言われるやつです。(今頃ですんません) ハードウェアの話。 電王トーナメントと異なりコンピュータ将棋選手権ではハードウェアが統一されていないため色物のハードウェアを持ち…

技巧2の学習部調べ(i9-7980XE編)

bleu48.hatenablog.com 昨年夏以来である。 i9-7980XEのマシンにメモリ増強したついでに上記でやれてない部分を試してみた。 --learn-probability 最大でメモリ100GB程度使用していたが余裕の完走である。2時間程度であろうか。 圧巻と言っていい。 出村さん…

続・cudnnをWindows環境に入れるコツ

bleu48.hatenablog.com 前回の続き。いつのまにやらtensorflow-gpuがバージョンアップして,CUDA9.0を要求してきたのでCUDAのバージョンアップ。 今回入れたのは以下の3つ。 cuda_9.0.176_win10.exe cuda_9.0.176.1_windows.exe cudnn-9.0-windows10-x64-v7…

pyaq on windows

囲碁はよく分からないので練習問題にも適さないと思ってたのですが まぁ,こういう話ならちょっと触ってみます。 Pythonのみで動く囲碁プログラム Pyaqを公開しました。深層学習を行うための教育目的のプログラムで、探索・学習のコードを合わせても1000…