Wildcatのお話

月初のネタなので少々遅れているが

pc.watch.impress.co.jp

 

昨今メモリやストレージ高騰でどうしてもPC価格が上がっている中でのニュースである。DELLブランド内でXPSは最上位だった気がするのでブランディングのリセット時期なのかと思うが,それとは別に中身である。

インテルのWildcat Lakeが下位モデルに搭載される。

 

Wildcat Lake自体は省電力の廉価帯なのでAlder Lake-NやTwin Lakeの後継に当たる。

N100等は結構安く売ったので市場ではプチヒット商品であった。安いのもあってまとめ買いしている。

N150の件その2 - 48's diary

当時コメントしたのはこれにNPUでも搭載してCopilot+対応を名乗って薄利多売をすれば時間稼ぎの撤退戦はやれそうとの構想だったが,おそらくほぼその通りの解が今回のWildcat Lakeである。(若干性能抑え気味でCopilot+名乗れないが)

 

一点だけ想定外だったのはPコアも積んできたところで,現在ベンチマークが流れているがシングルコア性能が2倍以上と相当上がっている。つまり,一般事務用途等の低負荷であれば相当コストパフォーマンスが良いことになる。

実機が手に入る段階になったらひとつ購入したいと思っている。

 

さらに,Wildcat LakeのReflesh版も既に話題になっており,こちらはPコアを4個まで増やすそうである。ここまでは不要に思うが,これでミドルレンジまでは問題なくカバー出来そうともいえる。本来高付加価値商品をメインに売るインテルだが策を変えてきたということであろう。

 

もちろん本命はNovalakeなので,これは低価格帯の話である。

 

 

Windows on ARM環境でのPython環境構築覚書(2026/6)

以前QualcommのSnapdragon X Elite搭載Windows11機の話をしたが、やはり特殊環境ということもあって非常に面白い。トラブルを楽しめない人は開発に使わない方がいい。

 

といっても意外なくらいトラブルがなく拍子抜ける程度である。

1.エミュレータが非常に優秀。

Prismという名のエミュレータが搭載されており、ほとんどのX64バイナリがそのまま動きます。しかも、AVX2など対応のものも高速実行可能なので違和感がない違和感があります。

2.ARM向けの開発が早い。

後述のPython環境も同様だが各社ARM用のバイナリを準備していることが多い。GoogleのAntigravity IDEなど出たばかりのサービスでもARM用のバイナリが配布されており、昔の特殊環境を体験した身には結構驚くほどである。

 

で、Python環境である。

Snapdragon XのWindows on ARM環境で動くPythonはAMD64およびARM64の両方である。どちらが動いているのか確認しないと気付かないくらい自然に両方動いてしまう。

しかしながら、ややこしい事情で両方入れておく必要があり複数のPython環境を構築するのが本題である。

 

最近のWindows11下Pythonのインストール方法はStoreアプリから「Python Install Manager」を探してインストールするのが推奨らしい。Python公式サイトでも同じインストーラが配布されているがアンインストールのことを考えるとベターということだろう。

複数バージョン管理はもちろんこのインストールマネージャーを使って行う。

 

このあたりの公式ドキュメントがあまいのでこのメモ書きを残すのである。

4. Windows で Python を使う — Python 3.14.5 ドキュメント

py install 何某で各バージョンのインストールができる

py -3.13 何某で3.13版でインタプリタが起動できる

環境変数PYTHON_MANAGER_DEFAULT でデフォルト環境を設定可能

pipの方もセレクタを指定するためにpy -3.13 -m pip 何某と書く

 

他にもありそうだが加筆予定で暫定公開としておく

 

続bullet-shogiの話

前回のfloodgateの話題の続きを書こうとしたのですが、追記が伸びるのも読みにくいうえに趣旨がずれてきているので新しく立てます。

 

前回はfloodgateのデザイン変更やbullet-shogiの習作を放り込んだ話

bleu48.hatenablog.com

 

このbullet-shogiの習作ですが、WCSC36決勝入りしていた奏乗のアピール文にある教師データを768-16-64のモデルで学習させただけのものです。

https://www.apply.computer-shogi.org/wcsc36/appeal/sojo/sojo_WCSC36_appeal.pdf

https://huggingface.co/datasets/washiun/Knowledge_distilled_dataset_by_DLSuisho15b_unique

(サイズが大きいので注意)

 

AobaNNUEが約二週間程度学習させたとのことに対して、bullet-shogiでノートPC一晩です。正確には1ステップ80~90秒の500ステップで12時間弱。20時に仕掛けて翌朝終わっている感じですね。

AobaNNUEが強い - 48's diary

bullet-shogiの話 - 48's diary

 

教師データ作成の計算コストが莫大なのでこれだけで喜んではいけないのですが、モデルの形を様々テストするには十分な環境が整ってきた感じですね。

 

あ、重要な物的証拠です。同じN150マシンで100戦以上行いほぼ有意差なしの範囲かと思います。実行バイナリはVisualStudioの通常ビルドなので少々甘いかもしれません。

 

お試しにしては案外強いなぁといったところ。

これは計算機次第で決勝狙えますね。

 

今のfloodgateの上位について

以前,下位の話を書いた

bleu48.hatenablog.com

 

floodgateは随分とデザインが様変わりして以下のようなレート表記になっている。

 

この上位層にいるtest768が短期レートで突出したグラフになっているが,手持ちの空いたマシンでbullet-shogiの習作を放り込んだもので,CPUとしてRyzenの9900X程度である。12コアなので特段ハイエンドと言うほどでもない。23勝1敗でレート4400といった体であるが,負けるまでレートが付かないルール上の形式的なもので正確な数字と言うわけではない。

 

NNUEの構成をAobaNNUEと同じ768-16-64にしている実験である。

同じものをN150でも放り込んでいるが現状AobaNNUEにやや劣っているようである。もう少し様子をみる。

 

ということで,現状floodgateにそれほど高スペックのマシンは居ないようである。

AI界隈ではこの程度の連勝記録に意味は無いので貴重なZen5は撤退するが,N150は放置しておくので対戦相手になって頂ければ幸いである。

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その後、対戦数のカウントが上がっていた。

恐らく対戦相手の方のレート計算が対象になるかならないかで変動がある模様。

正確な扱い方は良く分からない。

 

というのは、長期レートの方が随分挙動がおかしくなっており、うちの上記エンジン群もあり得ないくらい低いレートの扱いになっている。

計算式に問題があるのかもしれないが、個々のデータを再集計する気になれないUIになっているのでとりあえず放置。

 

川崎観光

世界選手権の決勝を二年も逃すと連休の川崎で微妙に時間があまります。

ということで記録しておきます。

 

川崎と言えば旧東海道の川崎宿です。

品川についで2番目の宿場町となります。JR東海道線だと一駅ですね。

以前決勝まで残った際にはこの近くのホテルでしたが博物館に入る余裕はなかったのでした。

 

江戸上りの特別展がありました。

 

 

川崎宿と琉球は交流があったというのを随分とネタにしてイベントをやっているようでした。

 

 
川崎駅地下にクラフトビールのスタンドがありました。

東海道ビールという名で自社タップ9に他社9という凄いことに

 
締めは飲食店。

川崎産業振興会館の裏手にあるインドカレー屋です。

なんやかんやで選手権に来るたびに行っています。

はじめてチーズナンを頼んでみました。

危険です。食べ過ぎてしまいます。

 

最後にここ結構有名店ですよね。駅ロッカーに荷物を預けて少し歩いて公園の隣。

随分前からチャンスを伺っていました。最終日新幹線で帰る直前の最後のランチでした。

チキンビリヤニとマンゴーラッシー

 

懇親会の中華料理店は毎年なので割愛します。

 

wcsc36反省会

昨年はこちら

wcsc35反省会 - 48's diary

 

www.computer-shogi.org

相変わらず乗り物に弱いので移動するだけで疲弊しています。

 

まずは個人主観のまとめから。

一次予選はシードされているので、二次予選から参加。一次予選の途中から会場入りして竹部先生のカフェで説明のなが~い紅茶を頂きます。(昨年は康光ブレンドのコーヒーでした)

面識のある方へのあいさつと新規参加者(特に学生さん)へあいさつ回りです。竹部先生が圧をかけようとするのですが、電竜戦への誘導を目的に気さくなおっさんを演じなくてはなりません。今年は新規の学生チームがいくつもありました。(そして強かった)

一次予選が終盤になるあたりで新参側の方が二次予選抜けするチームが多いのではと話題になりました。つまり今年の新規参加者は結構レベルが高いということです。

 

結果的に一次予選抜けのラインがレーティング4000オーバーどころか4300などと言う話が飛び交っています。

そうするとうちのシード権すら危ういということになります。

 

二次予選です。

朝から縁起物であるワッフルをコンビニエンスストアで購入。偶然ハニワさんと遭遇。

朝一からAri Shogiさんと当たり先手番なのに完敗。先行き不穏です。

二戦目はGokakuさん。立ち話をいろいろしたい相手ですが、初戦二戦目と相手が不在で他チームの対戦を散歩しながら見回っていると終戦しており、勝利。全敗回避達成。

三戦目はAobaZeroさん。山下さんは電竜戦含めここのところギリギリで決勝入りを決める強運を発揮されています。(電竜戦ではバレルハウス賞をお送りしています)

マシンスペックは結構良いクラウドマシンだそうですが、中身は半年前に公開したAobaNNUEだそうです。実際強いですね。完敗です。

四戦目はDaigorillaさん。こちらも常連ですが、この時間帯は居られないようで他チーム観戦タイムになってました。相手の回線不良か切れ負けされていました。残念。

五戦目はこだぬきさん。前日に伺ったのですがたぬきチームの野田さんの同人誌読者で実際に交流のある弟子だそうです。たぬきチルドレンです。(そういえば私もたぬきチルドレンでもありましたか)初参加で一次予選を勝ち上がった方ですので相当強いと予想していたのですがなんとか勝てました。

六戦目はponkotsuさんです。もはやポンコツではないと言うワードを放ってずいぶんになる気がします。GPUが16枚と聞いて、こりゃ駄目だとすぐにわかります。コスト計算を聞いてみるとやはり相当の負荷のようでした。

一回戦のAri Shogiさんと同じ棋譜ですが偶然ではないそうです。

七戦目はあすとら将棋さんです。あすとら将棋さんもここ数年上位常連となってますので相当強いのは覚悟しましたが、先手番を頂いたのが大きいのかなんとか勝てました。

八戦目は六角堂狸さん。こだぬきさんの親分です。

先手持たれて勝てる気がしないので綺麗な評価関数グラフです。

九回戦、ラストはねね将棋さんです。こちらはいつも面白い取り組みをされており、個人的には独創賞の対象と思っていました。LLM界隈で流行りのMoEをNNUEに導入されています。探索速度が稼げて、学習がうまく働くように、様々な試み・苦労をされていると伺いました。


 

ということで5勝4敗で二次予選敗退。14位で来季のシード権だけ獲得となりました。

市販のGPU一枚でこの順位だと上出来と思いますが、決勝入りを目指すには高額クラスタ機が必要でしょう。

そんなことをするくらいなら皆にビール奢る方がマシと考えているわけです。

 

で、懇親会のプレミアムビールの件は今年はうまくいきました。

事前に通販サイトのURLまで送りつけて現金も振り込んでおきました。これで駄目なら買って持っていくしかない最終手段です。

ヤッホーブルーイングのよなよなエールとインドの青鬼を選定いただきました。懇親会では飛ぶようになくなりましたのでそこそこウケたものと思っておきます。

 

決勝戦に関わらず、一次予選のレベルも上がってきたおかげで先手問題は引き続き重大になってきます。電竜戦では様々な解決案をおいて対応してきたいと思っていますので選手権は破綻するところまで見守りたいですね。

 

選手権ルールに関しては他にも以前から気にかけている点は多く、上記のponkotsuさんのように他者棋譜の取り込みにより同じ棋譜の再現が行われたり、一部の選手間で事前・最中関わらず定跡・評価関数・教師などのデータ共有が行われたりと不透明な動きが多くあります。

電竜戦では禁止している会期中の取り込み行為ですが、選手権では伝統的に許容されているようですので同じ棋譜・近親の評価関数がたくさん生まれる要因のひとつと思っています。

こちらも電竜戦の差別化と思っていますのでマニアの方は心にとめておいてください。

 

最後に、先手後手の差異をなくす指定局面戦および、先手有利を限界まで削る持ち時間ゼロ戦の開催を宣伝して終わります。7月10・11日です。

選手権のままで構いませんので皆様のエントリーお待ちしております。

 

denryu-sen.jp

 

ARMとx64

今日はちょっとしたついでにビックカメラに寄りました。

もしかしたらと思って店員にQualcommのSnapdragon X2 Elite Extreme搭載機の店頭展示があるかと聞いてみたらありました。

 

 

本機は今月に入ってあちこちのレビューサイトが書いているとおり,18コアの最新ARMチップでNPUも80TOPSと過去最高レベルのものです。ノートPC界隈でAMDやインテルすら千切ってしまいかねないレベルです。

Appleの方と比較するとしてもM5 Maxとの比較になると思いますが,それにしては30万円台なので格安と言えるかもしれません。

 

実のところ前世代のX Eliteの方を少し前にテストしており,性能や動作の方をチェックしています。一番心配の互換性はよほど特殊なものでない限り驚くほどすんなり動きます。そして違和感がないくらいの速度を誇ります。一部レアアイテムのドライバ類が動かないとの報告があります。

AVX2命令を含むプログラムですらARM上のSIMD命令に差し替えて動作しているようで非常に高速です。

手元でコンパイルする場合はARM向けにビルドするのですがMSのコンパイラの最適化が甘いためかX64ビルドのバイナリに比べそれほど速くなりません。互換性重視のために保守的な対応になっているらしいです。

比べてLLVM環境でビルドすると非常に高速です。自前プログラムはせっかくですのでVisualStudioでもclangを使いましょう。

 

NPUについてですが,これはまぁ以前から書いているようにアクセラレータと言うより省電力支援のようなものです。実際onnxモデルなどを実行してみるとCPU動作とさほど変わらないレベルで動作するものがCPU負荷なしで動きます。CPU動作を大きく上回るのを期待したので少し残念に思いましたが,逆に考えると高スペックのCPU性能を物語る結果でもあります。

12コアのX Eliteに対する50TOPSでそうなのですから,18コアのX2 Eliteに対する80TOPSでも恐らく似たような感じでしょう。

 

と言う感じなのでX2はかなり期待していいもの思っています。

しかしながら,世間的にはまだまだ不安要素のあるものでしょう。廉価版が出て好評を得ることが出来てこそハイエンドに市場価値が生まれると思います。X2 Plus待ちというところです。

 

ところで,ARM勢としてはNVIDIAもN1とかN1xとか言うものが準備中です。こちらも20 コアだとかRTX 5070相当とか結構高パフォーマンスの前評判です。実機が出てみないと何とも言えませんが期待値が上がっています。もちろん廉価版が出て世間の評判が決まると思っています。ハイエンド機が少量流通したくらいでソフトウェア対応は進みません。成功するにしても少し時間がかかるでしょう。Qualcommと協調関係で流行らせてほしいものです。

 

ARM勢で前述もしたAppleですが,廉価版のNeoが売れていると評判のようです。A18 Proだそうですのでパフォーマンスコアは2コアです。スマホ類の省電力コアはあまり役に立たないのですが4コアついています。シングルスレッド性能が体感速度に影響が大きいということでM1に匹敵するという話になっています。

ハイエンドはM5 Maxですが,これが意外にM4 Maxよりコア数が減っています。名前がスーパーコアと呼ばれて恥ずかしい感じですが,単に呼称が変更になったものです。以前の省電力コアをパフォーマンスコアと呼んでいますが幾分クロックアップされているようです。M5リリース段階ではこの呼称スライドを行っていないので非常に奇妙なことになりました。M5のパフォーマンスコアがM5 Maxのスーパーコアで,M5の省電力コアがM5 Maxのパフォーマンスコアです。ベンチマークでもそうなっています。

そしてM4 Maxより単コア性能が伸びていますが,コア数が減っています。ここ数年のインテルと同じくがんばれって応援したい感じです。

 

で,締めにX64の方もメモっておきましょう。

インテルはCore Ultraの300台(Panther Lake)や270K(Arrow Lake)の微修正で時間稼ぎをしている感じでしょう。本命のNova Lakeが来るまで大きな改善は期待薄と市場の皆が想定しているところです。

AMDはインテルの動向を見る余裕があり先手を打てるにも拘らず多方面保留の様相です。恐らく利益率計算で問題ないとの判断でしょう。Zen6世代はコア数が増えるそうなのでインテル相手の勝算はあると見込んでいると思われます。

 

まぁいずれにしても実機が出てみないことには面白くないですね。

取り急ぎ2026市場はQualcommが先行といったところです。個人的には随分久しぶりに楽しそうな雰囲気に期待大です。

悲しいのはメモリやSSDなどが高騰している点でしょうか。

 

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4/29追記:

TSMCがARM株を手放したそうです。

前述したほぼすべてのハイエンドCPUを製造しているTSMCがARM投資を下げたのですから、自ずと未来のパワーバランスが理解できるでしょう。

抜けて出るのはAMDかインテルか。