GPWに参加してみて

屋外での立ち仕事の影響か喉をやられたまま出張してきました。

大阪で一件発表の後,箱根でゲームプログラミングワークショップ。

Game Programming Workshop

例年箱根の研修施設で合宿制で行われているとのこと,初参加でしたが堅苦しくないところの交流ができて非常に面白かったです。

そもそも,集まるテーマがゲームプログラミングですので,ゲーム理論の理論家から機械学習アルゴリズムを始め,聞いたことのないボードゲームの必勝手順などの話まで面白くないものがないわけです。

 

私も口頭発表をさせて頂きましたが,専門外のこともあり専門用語などを適正に使えたかどうかすら心配でしたが,実践的に強化する方策としては正しいだろうし,そういう視点のない人からしたら刺激的な発表だったのではないかとお褒め頂くシーンも御座いました。別に将棋ではないがチェスで類似のアルゴリズムがあったとの指摘にはまったく調べてないとしか回答できなかったので,アカデミックな場に出るとそういうところも今後確認しなくてはならないのだと覚悟しました。

 

口頭発表後に夜のイベントとして酒席があるのはもちろんですが,そこでGPW杯が開催されました。コンピュータ将棋もあり結果は以下のようになりました。

 

  

玩具として別のプログラムももってくればよかったかなぁと感じるところです。

5五将棋やガイスターなどが参加者が多く盛り上がっておりました。

ガイスターは不完全情報を上手に駆け引きに使う競技のようで,経験者のコメントでは人間でも相当面白いゲームのようです。

体調体力に余裕があれば若い人に交じって深夜まで遊べたかなぁとか思ってます。

 

箱根帰りで疲れたぁってところに,コレです。

 

  

レミさん,WCSC29用にガチで今から全計算能力を将棋に突っ込むらしいです。

怖いですねぇ。楽しみですねぇ。

プログラマーとは違うかも

岡山でローカルなものを幾つか立ち上げてきた。

地域の草ITコミュニティもその一つで,もう10年以上になる。

小さなイベントは数えきれないが,近頃プロ化しているように感じる。

登壇経験豊富な人だけが登壇するというような傾向と同時に,参加者がその分野のプロであることが増えているように思う。(あくまで主観である)

 

okayama.open-seminar.org

 

勉強会の類を立ち上げ始めた当初はプロの人も居れば,完全に趣味のサンデープログラマーや学校の先生・学生などある意味多様性があった。出来る出来ないに関わらず集めないと成立しなかったってこともある。

最近は岡山でも同日に3つもIT系の勉強会が開かれたりする程度で分野や専門性に割れている気がする。私は好奇心で動くタイプなので適当に参加するが,他の方はどうだろう?

(あ,ここで宣伝になるけど年末の合同勉強会は混ぜ混ぜなので面白そうよ)

 

gbdaitokai.connpass.com

 

最近は登壇者が「エンジニアの方?」と言うととりあえず手を挙げたり挙げなかったりするが,「プログラマーの人?」って言われるとさすがに手は挙げない。

 

プログラマーとは専門職である。昔はプログラマーの真似事をして小銭を稼いだ時期もあるが,当時は人手不足と業界のレベルが低かったのも幸いしたのだろう。今のプログラマーは優秀な人が多いし,すごく良いコードを書かれている。(酷いのもあるらしいけどね)

自分のコードがどこかの修復フレスコ画レベルな程度な気がしてるので,Githubでもよほどのことが無い限りissuesで済ませてpull requestはほぼ送らない。

 

完全にリスペクトの対象なんよね。

自分で書くコードは自分用だから雑に作って使い捨てる。他人のために書くコードが無いから酷いものでも平気なんだが,それも長く続けると自覚するレベルで酷い。

再利用することが極稀にあるが,ほんとよく動いてたなぁってのを目の辺りにする。

良いライブラリの類を書かれている人に何か御礼をしたいとかは思うのだが,そういう機会はあまり巡って来ない。

github投げ銭機能でもあればいいのに 

 

そういえば,オープンCAE界隈では特定issuesに相乗りでスポンサーを付けてプログラマーを雇う仕組みが回っているそうな。他のところはどうなんかな?

---

めっちゃ話逸れたw

認知バイアスの話

認知バイアスの話。

若者が感じる閉塞感の話題で「心のクラッチ」と言うキーワードを得た。

 

  

認知バイアスと言えばダニエル・カーネマンで,ダニエル・カーネマンはとりあえず以下の本を読んでくれればいいんだと思う。

直感的に感じることと熟慮することの差異,それぞれで生じるちょっとした齟齬などを心理学の視点からまとめた名著である。結果としてノーベル経済学賞を得たというより,これ以後のノーベル経済学賞が全部これ系になってしまう程度の革命。

当人は経済学者じゃなく心理学者なので,心理学者唯一のノーベル賞受賞者

興味あれば是非読んでもらいたい。 

 

ファスト&スロー (上)

ファスト&スロー (上)

 

  

前振りはこれくらにして結構認知バイアスってのが面白い。

過去の卒論だけど,プロ野球選手の年俸について調べた学生がいた。

選手としての成績と年俸は相関が高いはずだとの信念でなんとか係数を出そうとしていたんだがあまり相関値が上がらない。

まぁ,仕方ないね。プロって実力じゃなく人気で評価されるものなので。

 

全盛期のイチローが一番打者でチーム年俸の半分近くをひとりで持って行った。戦力と年俸のバランスなんてあったもんじゃないが,集客力として評価すれば妥当だったのであろう。

同時に思いもよらない哀しい話が多く見つかった。

例えばどうしても年俸の傾きが出ないゾーンがある。選手比率で約半数と結構な分量ある。

ゾーンは二つあって当時440万円と1500万円の同額で結構な範囲でフラットになる。

  

プロ野球に詳しい人はこれが二軍保証年俸と一軍保証年俸と分かる。

そう,大半の選手はこの金額なのよね。ニュースになるような年俸交渉のテーブルに乗るスター選手は一握り。

プロ野球では二軍保証年俸のまま3年以内に引退する選手が約半数である事実。

意外と認知されていないし,活躍するとすごく年俸があがるイメージが刷り込まれている。

メディアに踊らされる認知バイアスの最たるものじゃないかな。

 

まぁ,若い人は踊らされ過ぎないように。

---

ついでにメモっておくとプロ野球の平均年俸で1500万円とかかれているものと3500万円と書かれているものが目についた。

前者は二軍を含み,後者は一軍のみである。

平均値が二倍以上異なるってどういうことかちょっと考えてみよう。

お金の話

オセロの世界王者は食えないそうです。

 

news.nifty.com

 

コンピュータ将棋の世界王者も食えない感じです。

  

  

先月の広島で出したスライドなのでもう隠すようなものでもないので晒します。

f:id:the48:20181029172005p:plain

計算に入ってないのは賞金の所得税や大会中の飲食費や準備中の電気代と事後ゲーム情報学研究会で発表にかかった費用かな。既存の古いPCは計算に入ってません。

たぶん,まだ黒字だと思います。

 

酒の席になると金になる話や有名になったのかとかそういう下世話な話ばかりですが,金銭的な収支は以上ですし,メディア取材は5月の選手権中に朝日新聞将棋世界の二誌のみです。

個人的には金になる話や(情熱大陸とか女流棋士と対談とか)メディア取材の話を持って来て頂いても歓迎ですよ。

---

追記:

大切なスポンサー様を失念しておりました。

Barrel house様よりTシャツを支援頂いております。

また,祝賀会ではビールを頂きました。

www.facebook.com

 

Hefeweizenの特殊性

あんまり理解されてないようなので,一番分かりやすいスライドをちょっとネットに乗せてみる。

f:id:the48:20181017121744p:plain

少々冗談のような世界が理解頂ければ幸いである。

ちなみにCSAルールでは1秒未満切り捨て,1秒以上は切り上げなので2秒の消費時間というのはどこかで1回通信遅延のようなものがあったのだろうとの認識である。

よく定跡ゲームと言われてるが定跡だけで終局まで指せるわけがない。

相手の着手までに相手の指し手を予測しそれに対する応手を決めている。

もちろん,本番では複数のAWSハイエンドインスタンスで手分けして探索を行った。

応手部分は多くの参戦者と大きな差異はないつもりだが,面白いのが相手の指し手予測である。

情報系で言うと先読みとか投機実行とかそういう表現になる。

この設定の対局はチームメイトとの約束で一次予選だけにしておいたが,コブラさんに勝ってるくらいなので,このまま決勝でもいけたんじゃないかって感じもある。

何度か行っているイベントの余興では同じくノータイム指しの設定でノートPCの1スレッド探索で遊んでもらったが,アマチュアの有段者もいらっしゃったようだが勝利を収めた人はひとりもいない。

1スレッドであっても対局者が時間を使う局面で相当深くまで事前探索できる。

昨年末にfloodgateに投入したshotgun_zeroの完成形と言えば気づく人がいるかもしれない。

 

面白いと思って頂ければ幸いである。

自己対戦とか考えたくもない。

最後の審判

最近知ったネタ。

詰将棋作品?『最後の審判』 (Koji Nuida)

 

将棋ルールの定義にまで遡る名作である。

連続王手の千日手を探索に入れた解釈に依存する詰み筋。

 

ちなみに,手元の計測では著名な詰み探索エンジンの背尾詰,なのは詰めの両方で不詰み扱いであった。

 

現行のルール整備がどうなったか明記されたものが見つからなかったので,結論は分かりませんでした。

補足的な話

先週末土曜日に広島でコンピュータ将棋の話をしてきました。

県外で依頼を受けて話したのははじめてです。

 

hiroshima.pycon.jp

  

私のリスペクトする如法さんから依頼頂いたってのが他を蹴ってたのに受けた理由のひとつです。もうひとつは酒祭かなw

まぁ,それと岡山でのリアクションと異なるものが得られるかどうかってのが興味ありました。ただ,岡山で話すのと色々と変えてあります。

 

岡山で主催している自作AIの会では自分で時間管理ができますので,初回などは3時間ほど話しました。まだ数回ですが準備した資料の分量は相当なものです。

また,他の勉強会などでも一部切り出した形+着色して話題にしております。

ai-okayama.connpass.com

 

Pycon mini 広島ではウケを狙えとの指示でしたので,予備知識が必要な技術的な話はカットしてあります。特に個人差が激しいために調整しずらいところです。

興味がある方はBonanzaの保木先生の論文およびたぬきさん,かっぱさんの同人誌が最新の技術的な文献として適当に思います。もちろん,やねうら王blogもです。

 

C91 コンピュータ将棋 2016年度課題技術総復習 | nodchip's website

技術書典5でコンピュータ将棋本を頒布します in 池袋 - コンピュータ将棋 Qhapaq

 

ソースを読む方が吸収が早いタイプの方はやねうら王や技巧のソースから入ることをお勧めします。Bonanzaや他のソフトでもいいと思います。

 

近頃あういう場では感情にうったえるのが流行りのようでしたので,体験談を話すと言う体でそっちに振ってみました。開発の動機,方向性を決めたきっかけ,偶然性の転機,未知との遭遇など時系列にかつ主観的に説明しました。

まぁ,遊びの範疇ということもあり客観的な裏付けのない部分も多く直感的な開発を続けてきましたので,情報の精度は保証しませんが私が感じたことや考えたことをお伝えできたのではないかと思っています。

別の部分に興味あって聞かれてた方がいたとすればにどの程度ウケたのかは分かりませんが,休み時間・懇親会で質問攻めにされましたので以下の基準で90点は確定しております。

私の基準では感想やコメント・質問の類は所謂「アウトプット」ですので遠慮なく頂ければ幸いです。

 

 

最後ですが,準備頂いた運営者に感謝いたします。

懇親会の餃子,西条の地酒たいへんおいしゅうございました。