第81期名人戦第3局@高槻

昨年は偶々倉敷での第4局にお邪魔しました。

 

bleu48.hatenablog.com

 

名人戦朝日新聞社および毎日新聞社の二誌+日本将棋連盟の共催です。

今年は高槻対局を朝日新聞社の方にお邪魔しました。

 

高槻は岡山からも新幹線+JR京都線で比較的行きやすいところです。

今回の対局はこの3月に高槻城跡に完成した劇場で行われました。コンサートホールのようなところで大盤解説,記者控室は大型スタジオでした。ABEMAなどの他メディアは複数ある中スタジオへ分れるなどで施設全部を稼働する大所帯のイベントとなっておりました。1500人入る大盤解説会場には当日券もあったそうですが満員御礼となったようです。倉敷の比じゃないですね。

まだ先の話ですが,関西の新将棋会館は高槻の駅前だそうですので新幹線組はあまり差異を感じないかもしれません。高槻駅には新快速が止まります。

 

立会人は久保七段,副立ち合いは朝日側,毎日側と2名居り朝日側が北浜八段,毎日側が出口六段でした。

立会人は対局の責任者として両対局者に対して気を配るポジションですが,副立ち合いは各メディア側への対応が主な仕事で実際に局面の解説を熱心にされていました。朝日・毎日の両社ともYoutube中継されておりますのでそちらへの出演もあったようです。

 

私の方は裏方で記者にうちの最新の二番絞りで名人戦の局面を評価し参考にして頂くのがメインの口実で,おまけとして電竜戦の売り込みを行いました。そのうち朝日新聞の紙面かWeb版かどこかで記事になると期待しております。

 

日本将棋連盟白ビールの評価値や読み筋を使うようになった後,毎日新聞社朝日新聞社も後追いで使うようになった経緯は以下の通りです。

連盟モバイルの勝率表示の件 - 48's diary

将棋のYoutube配信 - 48's diary

今回朝日新聞社の方に伺った話ですと恐らくKristallweizen公開当時からずっと記者などは参考に見ていたのだけれども中継に使う許可を取る発想が全くなかったとのことでした。許可下りないと思っていたそうです。意思疎通って難しいですね。

そもそも記者陣はPCに詳しくなく技術スタッフに頼っていたためにソフトの名前もダウンロードサイトも知らなかった模様です。

 

また,今回どの写真か知りませんが控室映像に私が写っていたようです。

まったくお恥ずかしい。

 

将棋の本題も少し。

やはりハイライトは33角でしょうか。

 

33角自体は全く見えない手でもないのですが,間違えると勝敗を決してしまう局面です。ということも昨今AIを見ればすぐに分かるのですが,対局者はもちろんAIを使わずに指すわけです。しかも,本局面他の手では一気に形勢が動きます。

現場の北浜八段のコメントでもAI的に先手勝勢ですが,33角を打つまではやや優勢程度の評価とYoutubeで流れた北浜メーターの評価を説明されていました。

結果は本局最長の93分消費して名人が33角を放つわけです。

その間,記者控室では33角以外の手はもちろん,33角からどういう変化があるのかについて様々な検討がなされておりました。

AIがなかった頃は恐らくプロ棋士が集まって検討を深め,それを記者が聞く形であったと思いますが,現在では記者がAIを見てそれを参考にプロ棋士(主に副立ち合い)に言語化をお願いするような形です。出口六段の声が遠くに聞こえるなか,私の方には様々な局面の解析依頼が来ておりました。

名人の長考も小一時間程度過ぎた頃には概ね記者陣の解析も終わり小康的な雰囲気でしたが,実際に指されたときには私も含め多くの歓声が上がりました。

 

こういう経験をしておいて尚のコメントなのですが,AI無かった頃の記者控室に入ってみたかったですね。プロ棋士の意見がどのくらい割れるものかどのくらいの時間で上記のような小康状態になるものか非常に興味があります。

 

最後ですが名人戦はまだ第4局,第5局と続きます。特に第5局の旅館が素晴らしいそうで一部の関係者は楽しみにしていると聞きました。さすがに私も長野までは追いかけられません。

個人的には第7局までもつれるような名人戦を期待しております。関係者の皆様ありがとうございました。

ーーー

追記:

是非棋譜並べしてみて下さい。プロ棋士以外はAIの補助が必要と思われますが,途中局面での変化手順などを追うと驚愕の手筋が見えて来ます。Youtuberが動画作ってくれるかもしれませんが