第2回電竜戦本戦の反省

第2回電竜戦本戦の事前の雰囲気とプレイヤー側の簡単な感想は既に記載していますが,運営側の反省です。

 

bleu48.hatenablog.com

 

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私個人は運営の一員(副委員長)とプレイヤー(二番絞り他)として第2回電竜戦本戦に関わってきました。多少考え過ぎの感もあるかもしれませんが,この立場になってみないと分らないことも多くあります。(恐らく皆さん想像しづらい)

 

そもそも電竜戦を立ち上げたからには世界選手権とは違ったルールや運営をやろうというのが本筋でした。

昨年スタートですが,とりあえず私が世界選手権運営に意見を出した先手後手の公平さについて,千日手の扱いで先手0.4勝,後手0.6勝扱いと差をつけました。これが良いと考えるのではなく,例えばこのような設定にしたら参加者および観戦者がどういう意見を持つだろうかという実験的取り組みと考えて下さい。これは意外とすんなり受け入れられた風に思います。

プロ棋士では指し直しとなる千日手ですが,スケジュール優先のイベントではそうもいきませんのでこういった方法もあるとの提示です。

 

今年の取組としては昨年に加えて,決勝戦をA級,B級の二分割から,A級,B級,C級の三分割で行いました。そして偶然丁度いい参加者数であったこともあり全てのリーグで総当たりの対局が行えました。

とりわけA級リーグでは先手後手の手番差が響くことは周知されて来ましたので,先手後手の二局を一組にして総当たりとしました。運営もYoutubeでリアルタイム公開討論まで行った訳で,半端なルールでは良くないと覚悟を決めて早朝から夕刻までの長時間の決勝リーグを行いました。

結果としては先手勝率70%との数字が出ている通り,本ルールの適用が良いものだったというより必要不可欠に近いものであったと分かります。また,旧来のコンピュータ将棋大会のように優勝者が全勝に近いものではなく,優勝したGCTでも13勝5敗となっており奨励会三段リーグに近い接戦となっていることが分かります。手番の重要性が明白となったと考えて良いでしょう。

 

golan.sakura.ne.jp

 

本大会として少々意見があったのが,A級とB級やB級とC級の間に明確な差異があったかどうかについてです。PAL,水匠のB級やいちびんのC級には多少違和感があるのは同意します。

これは初日のスイス式トーナメント一回のみで判定している分には相当優秀な区分であると思っています。と言いますのは,選手権などでは事前にシードや前年順位と言ったもので既に差をつけてスタートしています。こういったものを入れると評価情報が増え精度が上がることは明確です。また,予選を二日行うなどすれば非常に高精度に行うことは可能でしょう。

では,今後どうすればいいかについてまたどこかで検討することになります。

 

電竜戦は開かれた運営を行って参りますので,改善提案や手伝いの申し出などなんなりと御連絡下さい。

続けていくことが発展につながると考えますので,今後とも継続的に応援いただければ幸いに思います。

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追記:

電竜戦スポンサーのジェームス・デービス様より指摘がありました。

A級決勝リーグの全45組の表裏取組で半数以上の23組が一勝一敗の引き分けとなりました。また,1組が2回の千日手で引き分けです。つまり過半数の組み合わせがドロー扱いです。

残るうち,19組が片方の二勝,2組が一勝と千日手です。

唯一優勝したGCTが二連敗の落とし方を一度もしていないという状況でした。

また,A級に限らず総当たりとしたことで,部分的な循環関係が随所に多くみられるとのことで簡単に強弱と片づけられる状況ではなさそうです。