スーパーテラショック定跡(150万局面)が優れているとの噂でテストさせてもらった。対戦相手は当時割と頑張ったうちの2018年定跡。つまり世界選手権優勝定跡である。互いの定跡のみで初期局面から指して定跡を抜けた局面のみ扱う。
判定は今年の選手権および電竜戦の二番絞りでノートPCですが,5秒使った局面評価値とする。うちでは一応そこそこ精度が高いつもりである。
スーパーテラショック定跡側が先手でうちの2018年定跡が後手の場合。
後手定跡は短いので比較的すぐ抜ける。
うちの後手が先に抜けたケースで評価値ワースト(-141)の局面
同評価値ベスト(12)の局面
これらは何れも12手目でまだまだといったところ。
逆にスーパーテラショック定跡側が先に定跡を抜ける局面
評価値ベスト(277)の局面
評価値ワースト(16)の局面
ここまでは意外に短いくらいで評価値が特段良し悪しといった感じではない。
2018年のエンジンと2021年のエンジンで戦型選択の好みが合わないのだろう。
当時角換わり流行だったが現状はやや先手有利とみているなどの影響が出ている。
で,本命うちが先手でスーパーテラショック定跡が後手の場合。
うちの先手が先に抜けたケースで評価値ワースト(-116)の局面
後手に横歩を取らせてしまう展開でよくないらしい。
うちの先手が先に抜けたケースで評価値ベスト(372)の局面
自分だけ歩交換して良しといったところか。
そしてスーパーテラショック定跡側が先に定跡を抜ける局面
評価値ベスト(463)の局面
2018年当時は先手が早仕掛けで優位との評価だったんだろうが,現在二番絞りは後手ヨシとの評価。
評価値ワースト(-266)の局面
これもまだまだな気もするが二番絞りは先手持ちらしい。
互いにそこそこ大きめの定跡のつもりだったが定跡だけではそれほど進んだ局面にならないようである。大きな穴が見つかるかと期待していたがちょっと残念である。
さすがに2018年の定跡は古かったが思ったより微修正で問題ない感じである。実のところ5月の選手権では微修正で予選に流用して無敗の一位通過であった。案外やるじゃんといったところか。
Kristallweizen評価関数も未だ通用するようなので,電竜戦でもエントリーしておけばそのまま通用したかもしれない。
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追記:
次回は300万局面があるそうなので,150万局面と数字入れました。