ぽけったい(ADLink PocketAI人柱報告)

クラウドファンディング扱いになるのか、ADLink社のPocketAIの先行予約が届いたので人柱として速報を出しておきます。

www.adlinktech.com

 

ADLink社は組み込み機器メーカであり、以前から公私ともに扱ったことがあるので本件は失踪持ち逃げや性能査証などクラウドファンディングにありがちな何の心配もしていませんでした。

PockerAIを「ぽけっとえーあい」と読めばいいのでしょうが、寝ぼけ頭で「ぽけったい」と読んだ自分にちなんで以後「ぽけったい」と呼称します。正確な型式はEGX-TBT-A500となります。

 

既にネット振り込みをしているが先月末発送の連絡があり約2週間で届いたので船便でしょう。

送付された箱は無駄に大きいが中身は予告通りの小さな箱。ラズパイをイメージするサイズ感です。付属品はUSB-Cケーブル(正確にはThunderbolt4ですね。)

そして届いてから確認したらリンク先の仕様にもあったのですが、ラバーケースに入っています。

 

で、このぽけったいThunderbolt3が必須になっておりまして非対応なUSB-Cに刺すとどうなるかというとWindows11で以下のようなメッセージが出ます。

あわよくば下位帯域で接続して認識してくれればと思ったのですが、単に識別番号のついたUSB機器と認識され何の応答もありません。

 

Thunderbolt対応機器で接続しますとデバイスドライバがない時点で3Dビデオコントローラーと認識されます。デバイスドライバは手動で入れますが、NVIDIAのRTX/Quadroのモバイル版のドライバを選択することになります。

ドライバインストール後は「NVIDIA RTX A500 Embedded GPU」と表示され、モバイル用どころか組み込み用であることが分かります。資料によるとスペック的にはRTX3050程度のようです。

 

人柱らしい報告です。

手持ちでThunderbolt対応機器がGeForce搭載ノートしかなかったのでテスト用につなぎましたが,ドライバ混在状態+モバイル用GPU混在状態になると起動時にブルースクリーンが見られました。起動時に抜いておけば動きますがドライバがそれぞれ異なりますので混在はしない方が良さそうです。本来の用途は非搭載機用の外付けですからね。

加えて何故かPCのタッチパッドが効かなくなりました。物理的な問題かドライバの問題かは切り分けできておりません。ドライバを差し戻すと復帰したのでドライバ間のなんらかのコンフリクトかもしれません。

 

その後は安定動作しており、外部接続ですが手持ちの比較ですが、AI推論においてGTX1060の倍程度のパフォーマンスのようです。

 

今のところCUDA,PyTorch,onnxruntime-directmlなど何の変更も無く普通のGPUと同じく動いております。

調子に乗って今週末のコンピュータ囲碁の大会にこのハードウェアで参加することにしました。

恐らく開発プロトタイプでコンペ参加の話を聞いておりませんのでコンペ参加は世界初でしょう。

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え~っと人柱的な部分で入れておりませんでしたが,そもそも25Wほど消費する機器で電力供給は別のUSB-Cで行うようになっています。(15V出力可能な)40W以上と指定されています。モバイルバッテリーなども可能なようです。ACアダプタはモバイルPCで使われるようなもので構わないでしょうから本機使用時はPCではなく本機に電源供給し,PCはバッテリー駆動で運用するような感じでよさそうです。

加えて,電力制御的なものは起動後行われるのが一般的な機器ですから,本機に電力供給しておきながらPC接続していない場合とかも相当熱くなります。ラバーケース無しですと火傷必至といった感じです。PC接続すれば低負荷時はあまり熱くならないようです。