プロ棋士界の序列について

将棋のプロ棋士界では序列という考え方がある。

簡単にWebサイトの棋士一覧の順と考えていい。

1.タイトル保持者(その内タイトルにも順がある)

2.永世称号保持者

3.段位者(同段位では昇段が早いものが上位)

 

で,これが主に何に影響するのかというとイベント招致のギャラなどもあるが,対戦時の上座下座問題にもなる。

但し,プロ棋士界は柔軟なので若手のタイトルホルダーがベテラン棋士に上座を譲るような配慮は日常である。

振り駒では上位者側の歩を5枚使い,歩が多い場合に上位者が先手になる。(上座を譲った場合でも記録係は上位者を振り歩先とするのが原則のようだ)

 

例外は順位戦である。

順位戦では同級のものがリーグ戦を戦うが,この際の上座は順位上位者と決まっている。降格した名人はA級1位となるため常に上座である。

これをうっかり間違えた羽生先生(当時三冠か四冠)がベテラン棋士に陰口を叩かれた事件は結構有名になっている。年間の対局の大半がタイトル防衛戦で下座へ座る感覚がなかったのだろう。

 

ちょっとよく分からないのが前竜王という呼称があったとき,これはどういう扱いだったのだろうか。

それとは別に棋士番号というのがあり,これはプロ棋士になった順に数字が振られており引退したからと言って詰められるものではない。

こういうのも気にしてる人とそうでない人がいて温度感も様々なのであろう。

 

実は昨日羽生九段と谷川九段という永世称号保持者同士の対局があった。この両者が無冠で当たるのも実に珍しいことである。

上記2.の中でどう順位をつけるかってことだが,永世称号に関わらず取得日順だそうな。

ということで無事羽生九段が上座につくことになったそうである。

先に到着していた谷川九段が下座に座っていたってのが気配りなのだろうし,実に谷川九段っぽい気がする。

 

ややこしくて分からないなぁって人は棋士一覧の順位を見ると良い。

近頃は若いタイトル保持者も出るが失冠もするので序列の入れ替わりが激しい。

自動更新されているのかと思うが実に対応が早い。

 

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