CSAは最近のうちの文脈だとコンピュータ将棋協会の略である。
http://www2.computer-shogi.org/
昔の話をすると2019年の世界選手権の運営で先後の差が大きく,あまり公平と言えない点を主張した。過去の例もあって当然のように流されることになった。他にも時間管理の話もした気がするが私本人が詳細を覚えていない。
2020年に電竜戦を立ち上げるに辺り先後差の是正はひとつの課題となっており,現在さまざまな試みの経過で引き分け時先手0.4勝後手0.6勝とやや差をつける運用となっている。選手権でも同様にしようかとアンケートがあったが私はせっかくなので効果がはっきりするまで違うルールで運用頂きたいと思っている。
他にも色々とあるが,今年7月に提案しているのは2点である。正確には二度目かもしれない。
1.24点法の導入
2.時間管理の精細化(少なくとも1秒単位から0.1秒単位へ)
1は27点法と24点法の差異が分かる人には分かりやすいと思う。
プロ棋士は24点法でそれ以外はアマチュアとコンピュータは27点法で行われている。
理由は引き分けの対応に困る点である。アマチュアとコンピュータの大会には運営時間が無いため引き分けが発生すると困る。持将棋は避けたいのである。
比べてプロは持将棋で決着がつくのは時間がかかる上に恐らく視聴者が喜ばないと考えられているため差し直しが現行のルールだ。
もちろん日本将棋連盟や新聞各社にKristallweizenが利用される際にはこの点は丁寧に説明しており,対応が必要であればリクエスト下さいとお伝えしている。
伊藤叡王誕生の際にはコメントを求められたのでどこかの記事になっていることだろう。
で,本提案のざっくりした意味は先手勝率の是正方法として後手が最初から持将棋を狙った場合に持ち込むことが可能であるかどうかというところだ。もちろん戦型によっては可能性が高いと言う噂も既に出ている現状である。が,実際どうか真剣にやってみないかという提案である。
2つ目は時間管理の単位である。現在1秒が最小単位である。
フィッシャークロックルールの1手5秒加算や2秒加算で1秒が単位は少し大きいのではないかと言うのが私の提案である。
粗い話はえいださんが行っている。
コンピュータ将棋の対局で秒単位からミリ秒単位化に対応すると勝敗にどこまで影響するか?|都賀町えいだ@コンピュータ将棋開発VTuberバ美肉おじさん
この議論は制御側が時計を持っていない場合成立する。
実際の実装は探索時に指し手が決まっても,例えば2.4秒であったとしたら2.8秒か2.9秒くらいまで使って指すような仕組みになっており実質0.5秒程度内部で無駄に使っていることになる。稀に有効なることがあるので100%の話ではないが
2.4秒で指して浮いた0.5秒分くらいを持ち時間に残して欲しいと言うのが私の意見だ。
2018年にマルチポンダーシステムを組んで0秒指しを披露した。ネタとしてウケればいいと思っていたのだが勝敗ばかりが話題になった。選手権ルールだと1秒未満は0秒になる。1秒を超えると上記理由で2秒になるのだ。
そう,本題は相手のポンダーが全く機能しない状態を作り出すことにあったのだが,ネタとしてこの辺を考えたことが無い人には説明しても伝わらなかったようだ。
で,こうなると1手2秒程度であっても100手付近になって数分の差になる。意図的に作り出した状況だが人間の将棋に準えて強弱の話で雑にまとめられている。
こういった部分も精度よく時間評価して欲しいと考えている。