自チームの記録は下記の通り。
準備不足がなによりダメ。
新ネタの有効性を示すところまで届いていない。
第34回世界コンピュータ将棋選手権 - 48's diary
で,他の話である。
例えばスポンサー周りの変更で優勝賞金が5000円となった。前回,前々回が50万円相当であったのから比べるともうゼロにした方がいいんじゃないかと運営側にコメントしたくらいである。参加費より少額な優勝賞金とか聞いたことが無い。
逆にスクラッチ勢に対してスポンサーがついたためそちらの方が賞金額が多いことになった。
スクラッチ勢に関しては以下のようなものを代表として少々過激なコメントがある。
ただスクラッチ開発なだけの将棋ソフトってそんなに偉いんですか? - コンピュータ将棋動画勢!
割と同意するところはあってフルスクラッチ自称していた人がチェスソフト由来のバグを踏んだりしているのを見ると確かに萎えるし,むしろ逆に自称して良い人がそういう話にすら関わりたくないのか無申請であるケースもある。
個人的にも28回大会後にフルスクラッチで作ったものは同じように二日程度でそこそこ動くようになり一週間ほどでLesserKaiに勝てるようになったと記憶している。
もちろん写経的なスクラッチであっても有効な部分は結構あって,アルゴリズムの理解に繋がる。これにより参考にしたオープンソース側のバグフィックスに貢献する例も少なくない。様々な部分で想像以上に相互に関与があるので薄っぺらい線引きが無意味であることは現場の人間も多くは理解している。
他には,学生参加者の回帰が見られる点が本大会で印象的であった。
技巧の出村さんや谷合四段も学生の範疇として,koronさんAri Shogiさんなど電竜戦デビューの若者,Noviceチームから独立したnshogiさん(既に卒業されているとの噂もある)等である。もちろん大躍進の日本工学院専門学校チームも加えておくべきだろう。
それぞれ独自に新しいアイデアを盛り込んで来られている。
私個人が電竜戦を運営する立場でもあるので,若者に新風を吹き込んでもらえるのが何より嬉しい。今後の活躍に期待している。
さらにハードウェア問題も際立った感がある。クラウド利用のチームの拡大で二次予選通過がとんでもない激戦になっている。特にAIブームの影響によりGPUクラスタが比較的借りやすくなっているそうでvast.aiなどで参加しているチームが急増している。これにより資金不足のチームは淘汰されることが確定する。
こういった背景であるので,実は最初に書いた賞金額というものを気にする参加者は少なく優勝したくらいで何かの足しになるものでもないようである。うちのチームは例外的なのかもしれない。肩を並べるためには年間百万円オーダーは投入する必要があるのだろう。
逆の視点から見るとハードウェア統一戦を今後も続けていく必要があると強く感じる。スポンサー周りをなんとかしたいものである。
やねさん視点でまとめられている記事が出ているのでリンクを置いておく。
やねさんが触れていないところを加えておくと,技巧,Polonaise,あすとら将棋,タンゴは面白いことをしているのでアピール文など読んでみるといいかもしれない。AobaZeroも今までと違うことに気づいた人は意外に少ないだろう。
優勝のたぬきチームの件については簡単にテストしている。今後nnue-pytorchが猛威を振う可能性は非常に大きく,多くのチームが参入するであろう。2019年のnnueブームの再来だろうか。実に楽しみである。
次の予定が来たので筆をおく。(のちに加筆するかもしれない)