将棋の駒落ち戦の宣言法について

将棋の世界では駒落ち戦というハンデマッチがあります。

主に上級者が下級者に対して指導的に行うようです。

そのために持将棋に限らず長期戦になった場合,時間的制約から指し掛けとして終えることが一般的です。人間では駒落ち戦で宣言ルールの適用など聞いたことがありません。

#実際は奨励会では香落ち戦が指されており,ガチンコの持将棋はあるようですし連盟にも明文化されています

将棋のルールに関するご質問|よくある質問|日本将棋連盟

 

先日Aoba駒落ちプロジェクトの方で宣言勝ち比率が高まっているとの話がありました。

元ネタのAobaZeroも宣言勝ちが多いエンジンとして業界に衝撃を与えたので有名ですが,同じ轍かといった感じです。

Aoba駒落ち

 

ところが,詳細を聞いてみるとレート計測の対戦相手がノード制限を入れたKristallweizen(やねうら王エンジン)とのことで,そもそもこちらに駒落ち戦用の宣言勝ちルールが搭載されていないとのことです。それが問題の一因かもしれないとの判断で私がIssueを上げて対応頂きました。

駒落ち戦の宣言法 · Issue #190 · yaneurao/YaneuraOu · GitHub

やねうら王がAobaZeroに駒落ちで負けまくっている件について | やねうら王 公式サイト

 

明文化されているものをやわらかく表現しておきます。

1.例えば香落ちの上手は初期で1点少ない状態です。そのため宣言法が24点法では23点で持将棋になります。宣言勝ちには通常31点必要ですが,上手は30点で宣言勝ちとなります。

2.6枚落ちであれば,14点少ない状態です。そのため宣言法が24点法では10点で持将棋になります。敵陣に10枚入れることも必須ですので自然と満たされることになります。17点あれば宣言勝ち可能です。

3.ちょっとややこしいのが27点法です。27点法では先手28点,後手27点で宣言勝ちとなります。駒落ちの上手はどちらかということですが,先日CSA例会で勝又先生に確認したところ上手は後手扱いである旨説明頂きました。つまり,上手が27点ベースで駒落ち分を引いた点で宣言可能。下手は28点で宣言可能となります。

 

AIのルール設定は強化学習に必要不可欠ですので,今後のAoba駒落ちの学習に期待していきたいと思います。現状ではアマ四段の山下さんが6枚落ちで勝てない程度とのことです。

人間の駒落ち戦で宣言勝ちまでやる人はあまりいないでしょうがAIなら付き合ってくれますよ。