セイバーメトリクス

今風に言うとデータサイエンスに入れてもらえるんだろう。いや寧ろ名誉王座と言ったところか。

 

もう数年前になるが指導する学生の興味で一緒に色々と勉強させてもらった。学生だと新規分野を広く浅く短期間で調べるのは難しい。この日記でも以前にも話題にしたと思う。

元ネタは「マネーボール」,書籍の方である。

お話なのでどちらかと言うと小説気分で読む方が良いが,背景にあるのはセイバーメトリクスと呼ばれる統計学である。すごく売れたので今なら古本で安く手に入るし,関連文献も雨後の筍のように出たのでこちらも古本で安く手に入るだろう。

 

当時の荒い主旨はこういったものだ。選手の年俸や起用の仕方は統計学的にみて効率的ではない。派手さで過大評価され仕事に見合わない高給取りもいれば,変則的なフォームのピッチャーなどは成績の割に評価が低い,四球はヒットと同価値であるが評価されにくいなどである。こういった情報を上手に使えば低コストで勝てるチームを編成することが可能である。

 

ビル・ジェームズ個人がはじめた趣味の自費出版というか同人誌のようなものが発端であり,趣味で成功するためには継続が必要な好例である。「マネーボール」内でも出てくるがボストン・レッドソックスに雇用されるのも実話である。

当然類似のアイデアは他のスポーツにも導入されるし,チェスの対戦などは寧ろ野球より導入は早かったようである。

 

マネーボールは映画化もされており,主役のブラッドピット演じるビリービーンが随所に見せる困った顔は本作品の見所のひとつである。要するに苦難の連続として人間ドラマとして仕上げられている。(まぁ,映画で数式やグラフ出してもね)

私は見ていたつもりだったが,先日深夜のテレビ映画で放送されたのを見直して適役だったんだなぁと再評価することになった。(珍しく削除せず保存してる)

 

映画での役回りはもちろん,Wikipediaのビリービーンのページなどもマイケルルイスの書籍から引用されるものが多いがマイケルルイスは脚色が強いので真実はどうかは裏を取るべきだろう。

ビリー・ビーン - Wikipedia

 

とにかくこの分野も誇大広告が多い。淡すぎる期待は失望に変わる。

ただ,しっかりやると結構役に立つ。