dlshogiがPyPIに登録された

諸々の事情で二週間遅れで弄ってみた。

 

tadaoyamaoka.hatenablog.com

 

dlshogiの環境構築は初心者には結構難しい。

今回そのうち一番面倒なboostを扱う部分が不要になるので大きな変更である。

 

私のところは以前からWindowsメインなので何度か書いてるがざっくり一から説明しておこう。

  1. Visual Studioを入れる。コミュニティ版で良い。開発しない人は要らないかも。どうせ使うならCUDAより先に入れて置かないと二度手間になる。オプションとしてはC++だけビルドできればいい。
  2. CUDAを入れる。PyTorchで学習させるなら今は11.1かな。これは推論だけの人も必須。
  3. PyTorchを入れる。LTS版が出ているのでこれでいいんじゃないかな。今3GBくらい容量あるのよね。
  4. そしてpip install dlshogi

 

これでpython -m dlshogi.trainのコマンドだけで学習が可能になる。

教師データやテストデータが必要だがこれもどこかから流用するならさほど問題でもない。手元で生成するなら自己対戦ルーチンをVisual Studioでビルドすることになるがこれはさほどトラブルもなく実行できるだろう。

 

で,ちょっとやってみたところ私が使っている学習器は随分前に独自に切り分けていたので概ね似たような挙動をすることは確認できたが,全く同じ動作になっているかは確認していない。ロスの値が相当違うので差異を要確認といったところだ。

独自に作っている深層学習モデルは持ち込めるようなのでモデル設定ファイルと教師データがあれば学習できると言うくらいには簡易化できたことになる。

個人的にはcppshogi.pydだけコピペで持ってくるようなことをしていたので大差でもないが新しく環境を構築する人には朗報だろう。

 

ただ,教師データがhcpe3フォーマットに対応した部分で読み込みに時間がかかるようになったみたいで今のところ利点ばかりでもない。