温故知新(2)

学生さんの卒論もあった色々と過去の調べ物をしている。

手に入る情報だけで追っかけて調査しているので,当時詳しい方には是非間違っている点があったら是非指摘していただきたい。

 

floodgateの長手数の将棋に関して

2011年,2012年辺りは稲庭将棋による長手数将棋が多数。

2016年には前年比で256手引き分け局が激増しているが,これは600-10Fというフィッシャークロックルールへの変更が原因と思われる。

同年末には300-10Fへと変更したため翌年以降は引き分け局はやや減少。

他に可能性としては技巧の公開など。

 

floodgateの入玉宣言勝ちに関して

2013年は前後年に比べて相当に入玉宣言局が多い。これらの大半はBlunderによる。

恐らく下山さんが時代を先どって相当対策を施したと思われる。

2017年より劇的に入玉宣言局が増えている。これはelmoの公開およびelmo絞りの公開による類似評価関数の作成によるものと思われる。

但し,対局数の0.4%に満たない程度。

 

稲庭将棋について

公開されているソースをベースに探索深さ制限などを相当緩和してリビルドしてみた。

ソースはれっさ改に追加で千行程度。上記私の自作ソフトよりやや多いw

定跡・定型駒組などのパターンマッチングのデータではなく,条件分岐コードで実装されている。

対局はオリジナルより終盤しつこくなる。

現行の強豪ソフトは敵陣突破の前にmate17や19を出して楽勝。シングルスレッドでも問題ない。

手持ちの自作ソフトはやや勝ち越すくらい。(ただしHefeweizen評価関数)

評価関数が駒得のみであるやねうら王マテリアルでは大半引き分けるが,偶然敵陣を突破可能な布陣が形成されると圧勝。

駒得だけで稲庭に勝つのは相当高難易度のようだ。

逆に飛角銀桂を適当に配置できれば突破前にmateを入れることができることが分かった。