枯れた技術

一度枯れた技術ってのは堅い地盤になる。
良かれ悪しかれFORTRANやCでプログラムを書く人が居て
それはそれで充分であることを認識してのことだし,
実行環境が特になくなるわけでもないことを示してる。
新しいインフラにコンパイラが用意されないことも懸念されるが
仕様が簡単な古い言語のコンパイラを用意することは別に困難でもなんでもない。
枯れるとはそういうことだ。
 
Wi-Fiが普及した。
気が付くと携帯電話・ゲーム機含め一般家庭内にも
Wi-Fi機器が多数置かれるような状態になった。
従来有線であったプリンタの類も無線化の傾向にあるらしい。
セキュリティ面からWEPの使用をやめて
WPAやWPA2に移行すべきだとの意見も多いが,全ての機器が対応しない限り
ユーザはなかなか捨てられないと思われる。
枯れるとはそういった類のものだ。
 
先日電気自動車にのった。
プリウスはボタン式でエンジンスタートだったが
iミーヴはキーを捻るらしい。
三菱らしいというのか。
アクセルとハンドルの使用感は既存機器に合わせて負荷をかけているのが分かる。
全てのユーザが対応しやすいように可能な限りガソリン車のUIに似せているのだろう。
枯れるとはそういうことだ。
 
2010年9月11日に準天頂衛星初号機みちびきがH-IIAロケット18号機で打ち上げられ,
9月27日6:28の最終の軌道制御により日本上空を通る中心経度約135度の準天頂軌道に投入された。
みちびきのミッションは現在米国のGPSで行われている測位システムの補完実験である。
現在GPSでは約30の衛星のうち最低4つの情報を得ることにより地上での時刻・位置を特定している。
つまり4次元のデータを受信している。
しかしながら,4つの衛星を捕捉出来ない場合は測位が不可能となる。
赤道上空にある静止衛星では高緯度の地域ではビルの谷間などに大きな死角ができるため
これを補完しようとするのが,みちびきであると言って良い。
現在実験開始段階にあり,成功が確認できた後衛星3機体制で日本上空をカバーされる手はずである。
受信機器は現行GPSと同じマイクロ波のLバンドが使われ,信号も互換性が図られている。
枯れるとはそういうことだ。
 
IMES(Indoor MEssaging System)という屋内測位技術が実験されている。
JAXAが提唱したGPSと互換性のあるGPS信号を屋内でも使用するシステムだ。
実用化は近いらしい。
枯れるとはそういうことだ。
 
 
ということで,GPSのハードウェアは枯れてるし今後さらに有用性を増すんじゃないかなぁ。
新型のiPod touchには付いてないけど・・・と愚痴って終わる。

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参考
Wikipedia:みちびき
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%BA%96%E5%A4%A9%E9%A0%82%E8%A1%9B%E6%98%9F%E3%82%B7%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%A0#.E5.88.9D.E5.8F.B7.E6.A9.9F_.E3.81.BF.E3.81.A1.E3.81.B3.E3.81.8D
Wikipedia:Indoor MEssaging System
http://ja.wikipedia.org/wiki/Indoor_MEssaging_System
JAXA準天頂衛星初号機「みちびき」
http://www.jaxa.jp/projects/sat/qzss/index_j.html
JAXAみちびき特設サイト
http://www.jaxa.jp/countdown/f18/index_j.html
第483回:準天頂衛星システム(QZSS)とは
http://k-tai.impress.co.jp/docs/column/keyword/20100907_392130.html