囲碁将棋界隈で剛腕と呼称されるものがあります。
多くは人であったりプレイスタイルであったりしますが、一般的な理論や予想を裏切って強引な展開へ導くのが剛腕と呼ばれます。
今日2025年3月16日は丁度象徴的な剛腕女性の話が2つありました。
ひとつは将棋の女流名人戦第2局、もうひとつは囲碁のSENKOCUPワールド碁女流最強戦2025の決勝戦です。
女流名人戦第2局の公式中継サイトは以下です。
女流将棋はここ数年福間(旧姓里見)西山の二強で行われています。両者剛腕と呼ばれますが最近は特に西山さんが特に剛腕と呼ばれています。
福間さんの方はどうかと言うと10代でタイトルを取っていた頃は出雲のイナヅマの愛称で視聴者はもちろん解説者も驚くような豪快な最終盤でファンを集めておりました。
徐々に棋風は変わるもので今となっては唯一無二と言われる懐の広い将棋を指すようになっています。とりわけ本日のように対西山戦となると相手の剛腕を認めているために、近年はそれを完封するような指し回しになっています。
特に今日は中盤は盤面中央を制圧し相手の思惑を完封、終盤は「泣くまで殴る」級のじっくりゆっくり封殺する将棋でした。昨今定跡まみれのプロ棋戦に見飽きた人は是非棋譜を見ていただきたいですね。
SENKO CUPワールド碁女流最強戦2025はYouTubeで中継されています。
今日の決勝は日本の上野梨紗女流棋聖と韓国の崔精九段でした。
崔精九段は私が言うまでもないですが、韓国で10年以上トップに君臨するのみならず男子相手でも一般棋戦で上位に入るような歴史的な棋士です。
上野梨紗さんは姉の上野愛咲美さんの方が先に有名になったため長らく愛咲美先生の妹という扱いでしたが、女流棋聖就位・防衛で現在名実ともにトップ棋士です。
囲碁界で剛腕と言えば上野愛咲美さんの代名詞ハンマーパンチです。少々の劣勢も何の影響もなく大技を決めてくれます。ファンがつくわけです。
日本女子囲碁リーグと言う団体戦で行われた姉妹対局で有名なシーンがショート動画で切り出されています。
序盤大ポカをやった姉に対して、妹が勝てるはずの勝負をプロではめったにないレベルの逆転負けをしてしまった直後のものです。
フルサイズの動画も姉妹登場スタート時間指して置いておきます。
恐らくこんな姉妹対局散々やって鍛えられたのでしょうね。
今日は梨紗先生の日でした。最終盤の大逆転勝利おめでとうございます。
愛咲美先生が2022年の優勝ですから、これで姉妹そろっての世界チャンピオンです。
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3月20日愛咲美先生本因坊戦のベスト4だそうです。いっそ挑戦者まで行って頂きたいですね。
本因坊戦本戦トーナメント2回戦(準々決勝)、村川大介九段と上野愛咲美女流立葵杯の対局は、上野女流立葵杯が白番中押し勝ちしました。女性棋士が7大タイトル戦本戦で準決勝に勝ち上がるのは初めてです。準決勝は余正麒八段と孫喆七段の対局の勝者と対戦します。 pic.twitter.com/ibEw8aRsXf
— 毎日新聞・囲碁 (@mainichi_igo) 2025年3月20日