一年の計は元旦にあると申しますので,その「計」とやらを少し。
2017年2月はじめての機械学習
機械学習の入門が深層学習な人のことを若者と俗称します。
古典機械学習も勉強しましょうね。
2017年4月はじめての将棋深層学習
floodgateの棋譜を教師に山岡さんの一致率が25%程度のところを一気に35%ほどまで持っていく。これ以降dlshogiにも色々と貢献することになる。
2018年5月Hefeweizen世界選手権準優勝
まぁ,まぐれっぽいですよね。検証するのに随分と時間かかりました。
5手予測で95%以上の予測的中率はMulti Ponderシステムの肝です。
2019年5月Kristallweizen世界選手権準優勝
このときのプレッシャーというか鬼気迫る周りの圧が凄かったです。前年は気楽だったんですがねぇ。このKristallweizen,オーパーツのようで現行でも問題なく強いです。
今も多くの計測などで使われています。
2020年7月命名二番絞り
深層学習のノウハウは地味に溜めていましたが,二番絞りは電竜戦と共に生まれたのです。
2022年5月二番絞り世界選手権準優勝
第32回世界コンピュータ将棋選手権 - 48's diary
実際高レベルのマシンと対戦者がいないと計測が成立しない状況です。マシンリソースがない我々は自分の実力すら測れません。最終局の最終盤のアレがなければ優勝でしたね。
予算規模が三桁違うとルーレットや競馬だと2回一点で当ててから勝負って感じですが実際そんなギャンブルです。確率論じゃないので勝負になるわけですが
2022年10月探索無しの二番絞りLishogi投入
探索無しのKataGoが欧州囲碁トッププレイヤー級とのこと
年末年始で探索無しの二番絞りを将棋俱楽部24に放り込みました。
年始にレート2500に達し,六段認定頂きました。
通信部分はカツ丼将棋さんのカツ丼坊2です。
CSA協会誌のカツ丼さんの記事(下記PDF p.69)によりますとfloodgateの2200は将棋俱楽部24の六段相当とのことでした。
http://www2.computer-shogi.org/journal/CSA_vol29.pdf
六段と言えばアマ全国レベルと表現されています。
24と世間一般の段級レベル比較|対局に関して|将棋倶楽部24
盤面を一手も動かさずにこの大局観です。
何億局面も評価する古典モデルとは大違いですね。
そういえば2022年末にマイナビニュース杯電竜戦ハードウェア統一戦が開始されました。
年越しで240戦の予選があります。評価値・読み筋や探索ノード数なども出力されますのでAobaZeroチームの山下さんが集計されました。
AobaZeroと二番絞りが探索速度がずば抜けて遅いそうです(笑)
探索ノード数が少なくても強くできる証明がされたと言って良いでしょうか。
http://www.yss-aya.com/bbs/patio.cgi?read=34&ukey=0
と言うあたりで冒頭に繋がりました。5年かかって将棋の深層学習モデルがここまで到達したってことですね。
さて,今後はどうしましょう。
(書きながら何かまとまると思っていましたがダメでした)
もう次の選手権のエントリーが始まっているのですよね。一年が早い。
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1月2日追記:
七段だそうです。
指導対局モード(レート変動が無いワザと負けていいモード)が使えるとか聞きました。
将棋倶楽部24に参戦している二番絞りがR2700を超えて七段に昇段しました!
— カツ丼将棋@電竜戦理事長 (@katsudonshogi) 2023年1月1日
1手も読まずしてこのレートは将棋の本質が見えてきたかもしれんですね。
floodgateではR2200くらいですが、ノータイム指しで高速に指してくるので人間には指しにくいのかもしれません。 https://t.co/iMfBhMOimT pic.twitter.com/c9aMXw7LRF
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更に追記:
これ続きがありまして、三度目の七段入り(2740台)して意外と安定しています。七段名乗ってよさそうな雰囲気です。低レートの連続対戦者がテレビゲーム攻略のように特定手筋で嵌めるのが六段で停滞した原因ではないかとコメント頂いております。
— 48@💙💛 (@bleu48) 2023年1月7日