将棋の先手勝率の話

先日CSA例会においてAI電竜戦プロジェクトを代表して第2回将棋世界AI電竜戦の報告を行いました。

突っ込みどころを幾つか入れていたのですが,発表後の話題は先手勝率の話題に終始しました。

 

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第2回電竜戦では決勝のA級リーグで先手後手一組にした総当たり戦を行い,その結果として現状のトップレベルでは先手勝率7割となりました。

また,相掛かりの戦型に限ると8割との意見もあります。

 

CSA内で騒然としていたのは世界選手権では先手後手に有利不利が無いとの扱いで今年も運営されていたからです。

ちなみに私は最初に参加した電王トーナメントの段階で相当先手有利との結論は述べていますし,選手権ルールでも当時から提案していました。結果は皆さんご存知の通りです。

 

今後どうなるのが適当かは分かりませんが,電竜戦プロジェクトの方では様々な実験的試行を行って何らかの方向付けを行っていきたいと考えています。少なくとも今回の決勝Aリーグの試みは広く人間の将棋においても歴史的に意味のあるものであったと言えます。

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御存じの方は多いと思いますが,チェスなどは手番を入れ替えて二戦行うのが通例になっているようです。タイトル戦が偶数戦だそうです。