電竜戦予行2

昨日(今朝まで)電竜戦の第二回予行演習が行われました。

第一回予行演習と同様に2ソフトエントリーいたしました。

あの叡王戦に並行して行われており非常に疲れました。

 

golan.sakura.ne.jp

 

エントリー名は白ビール1,白ビール2から地ビール,二番絞りとチェンジ。

 

地ビールは以前からゆるゆる改造しているGo言語でスクラッチ作成のプログラムです。

選手権用のクラスタ部の流用による副産物で,最近1000行超えました。

最新版のfloodgateレートはこんな感じです。いにしえの多くのスクラッチ勢と良い勝負ができそうな感じには仕上がっています。

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正直言ったところGo言語に向いていない部分があるのでこのまま進めるのはあまり意味がありません。具体的にはCPUの拡張命令を叩けない(叩くにはCGO経由ですがあまりにもオーバーヘッドが大きすぎる),小さなforループが遅いなど速度面がどうしようもありません。

それでも250knpsくらいまでは確保していたのですが先日バグをひとつ潰した際にまた一割ほどもどして220~230npsと言ったところです。

千日手判定ルーチンも入玉判定ルーチンも未搭載です。

ということで極稀に残念なことになります。

 

二番絞りは選手権用に準備していた機械学習用の教師データを流用して一部dlshogiを改造した深層学習モデルに食わせる実験です。前回は学習が思うように進まずへろへろに弱いままでしたが,一か月近く追加学習した今回は地ビールよりも強かったかもしれません。

夜中に通信が切れてましたが,もしかすると不戦勝3連戦と通信がない時間が長かったためにどこかの機能で切られたのかもしれません。floodgate接続でも稀にあるので原因の断定は無理かなぁと考えています。

 

今回の目玉はAobaZeroが6GPU搭載機で登場したことでしょうか。

春のオンライン大会優勝の水匠を完封し,完全に電竜戦の優勝候補と言っていいと思います。

今回電竜戦の特徴として512手を上限としているところで入玉形将棋が得意なAobaZeroに優位に働いたと思われます。しかしながら長手数まで指せるということは負けてないということですので決して通常の対局でも弱くはないのです。ただ,棋譜を見ていただければ詰めに行ってないことも分かります。

 

とうとう機械学習は将棋の意味を人間と違うように学習しはじめたのでしょうか。

今後の展開が楽しみです。

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以上に加えてAobaZeroは地味な点ですが朝まで21戦エラー無く戦い続けたことです。安定感があることは優勝に必須条件ですのできっちり準備された成果と思われます。実際予行演習ではあるのですが不戦敗が多いのは楽しくないですからね。

ちなみに私は電王トーナメントで放送ブースに呼ばれている間に不自然な接続切れを起こした一件以外に公式戦での通信エラーや接続切れなどのトラブルはありません。準備は大切ですよ。