将棋の難しいところ

風邪気味で外出する気が起こらないので古いネタを起こしながら書く。

思い出したきっかけはコレ。

 

  

将棋教室は多く子供向けである。これは次世代を担う人材育成の点から仕方ない。

おっさんは観る将になるか主催するかすればいい。

子どもの頃は牧歌的な地域性もあったのか公園でおっさん同士が将棋を指しているのを覗き込んだもんだ。

 

初級者のハードル

 

1.駒の認識

実際成桂の字体とか子供には難しい。思えば取った後成香と気づいたこともある。

親戚の子供と遊ぶことが多い年末年始は子供が慣れた駒を使うのが良い。

子供向けのシンボル(漢字に限らない)があってもよいと思う。

2.駒の動かし方

これは最近は図示された駒もあるので比較的問題認識もされているし対応されている。

3.王手見逃し,自殺手の件

初級者だと王手が見えないことも多い。子供がよく泣くやつである。

4.上記を踏まえた悪質な反則

モラルの問題でもあるのだが,初級者同士だと盤面の駒を全て見えていないこともよくある。いつのまにか駒台に移動していたり,角の筋が移動していたりである。

まぁ,子供将棋大会は大変だと聞いたこともある。

 

上記の問題解決に電子的に制約を付けるのは比較的簡単である。

ただ,それが実際の問題解決になっているかどうか,つまり初級者脱却の手助けになっているかどうかは怪しい気がする。すぐに不要になる機能であるが,「○○の理由で反則です」と警告を出す程度に留めるのが適当であろう。

 

中級者以降のハードル

 

1.手が見えない

駒が多すぎて,移動できる手が多すぎて何をしてよいか分からない。

初級者あるあるなのだが,これは幅広く上級者でもあるのでここに入れておく。

実際将棋で最も困難なのがここだと思う。

多くのボードゲームが3~6択程度の選択肢の組み合わせで進行するのに対し自由度が大きすぎる。また,その理由付けが難しい。

さらに細かく言語化すると,戦況の把握,自陣敵陣の弱点把握,速度差など色々あるが個々の要素は詰みに絡むもの以外は絶対的ではない。

2.読めない

「3手の読み」という考え方がある。自分の手,相手の手,自分の手と考えて良い選択肢を選ぼうとするものである。実はこれが相当難しい。特に相手の手が見えない。

そうである。上記の1番に起因する。

まぁ,もうひとつは脳内に盤を想定して駒を動かすことが出来ないってのもあるがこれはトレーニング次第である。

詰将棋次の一手問題などの繰り返しなどが良いのであろう。

 

で,どうすればいいか。

1の見えるか見えないかって言うのは直感に頼ることが多い。

棋書では理由付けがされており論理的な筋道で得られるように書かれているがそれでは対局では間に合わない。詳しくは下記の本を参照。

  

で,これをトレーニングするのはどうしたらいいか。

実際私が将棋のAIを開発していた時期に気づいたことであるが,コンピュータ同士の高速対戦を見ているだけでいいのである。もちろん,脳内では局面を真剣に考えている必要がある。1手5秒や10秒程度で多数の局を行う方が良いようである。

これだけでいつの間にか棋風と言うかなんとなくAIが指しそうな手がだんだん見えてくるようになるのだ。

 

実際開発中の私が将棋の懸賞問題を解くに辺り相当の棋力向上をしている。継ぎ盤とメモ用紙があれば高段者向けの問題も難なく対応できた。

興味あれば是非試して頂ければと思う。

 

具体的に教材作りを考えた時期もあるが,残念ながら支援いただけなかったので断念した。

2019年度「破壊的な挑戦部門」一次選考結果発表 | 異能(Inno)vation

 

  

そういえばプロ棋士で天才と言われる人も見える人と読める人とが居ますね。