最低賃金は上げた方がいいのか?

米大統領最低賃金引き上げの考え 一般教書演説
http://www.asahi.com/articles/ASG1Y2PLRG1YUHBI009.html
 

今年11月の中間選挙をにらみ、争点になりつつある「格差是正」に向け、最低賃金引き上げなどに取り組み、大統領令も活用する考えを示した。

 
最低賃金引き上げってのは格差是正になるのか?(とりあえず日本の場合)
そもそも最低賃金で働いている人ってのは日本ではパートタイマーと高校生が主であると
どっかの統計データが出てた。
理由は明白で一日に2,3時間程度しか使えないために雇用側にも効率が悪いからである。
もう少し働いてくれると賃金を出せるってことで,一般に生計を立てる人が最低賃金って例は
皆無であると言える。
 
で,最低賃金を上げるとどうなるかと言うと短期的には最低賃金の人の給与が上がる。
その若干上の人も若干上がる。そして,その辺の事業の利益が下がる。
しばらくすると事業利益を確保するため値上げなどが行われたり,人材確保の方法が変わる。
後者の例として最近は外国人労働者(名義は研修ってのが多い)が目立つように思う。
某食品工場や某激安スーパーチェーンでは既に中国人が大変を占めている。
 
これが恒久化するとどうなるかというと事業ごと最低賃金の安い地域や国に移動する。
具体的には農林水産はもちろん食品加工(中間加工を含む)が多く日本国外に出ている。
以前だと大手外食の類も厨房での作業があったのだが,年々加工品を加熱する程度で
客に提供するものが増えている。これは輸入制限において原材料ではなく加工品の方が
規制や関税などの処理が安易だというのも理由のひとつである。
当然この結果低賃金の雇用は失われる。失業ってやつね。
もうひとつ機械化(自動化)ってのもあるけど,基本的な方向は同じですね。
 
また,別視点で見てみよう。
最低賃金の雇用ってのが飲食・小売業に偏っているって点である。
これは実に面白いのだけど生活必需品に近いものがこの分野に多い。
で物価への影響が非常に大きいためなかなか値上げができないし
利が薄いものが多い。最低賃金に合わせて緩やかに上がるくらいだ。
それに比べ安定成長している分野は少なくない。
で,取り残され感がある。この遅延は都市から離れる方が大きいようだ。
 
ぼちぼちまとめようと思うのだがかっちりと結論は出にくい。
ただ,最低賃金を上げると生活費が上がるし低所得者の雇用は減るし
それって良いことなんかなぁってのが漠然とした疑問点。
 
江戸をモデルに経済成長を描いてた書物や数年前に中国行った時の感想として
生活費が安いってのは非常に重要なのかなぁって思う。
つまり衣食住の最低ラインを下げておく方が皆幸せになれる気がしている。
何をしても食っていける安心感っていうのがねぇ。
 
昨今,「住」と医療の問題は詳しい人教えてくださいって感じです。