ベテランの勘、直感と文書化について

勘とか直感の話。
 
これをバカにする人が多いんだが、個人的にこれしか無いと思ってる。
重大な決断が迫られたときに理屈とか世間の評判とかだけで決断は難しい。
自分の経験から云々といっても要するに勘とか直感の世界。
脳内で数値化出来ている人って少ないし、そんなに当たらない。
 
ところが、世の中にはベテランという人達が居て
理由を聞いても即答しないのに手早く技術を振る舞う人がいる。
職人の世界に特に多い。
これらは言語化・文書化しにくい技術の話だろう。
 
例えば海外旅行の際に渡航手続き、準備、安全確認など
経験の少ない人は不安が多くとても疲れるが、2、3度行くと勘が働く。
これがさらに増えると慣れというのか国内とノリが変わらなくなる。
危険察知もなんとなく分かるようになる。
#ほら言語化しにくいでしょ?
 
学習でも慣れというのがあって、論理を最初に教わるんだが
これが練習課題などをやったときに即引き出せるならOK。
そうじゃなければ身に付いてないってこと。
慣れるまでやらないと学習効果は無いと同然。
 
自転車の乗り方って言語化・文書化できますか?
また、自転車の乗り方のマニュアルがあったとして有用ですか?
 
 
次はこの言語化・文書化の話。
 
正直言うと自分は文書化が嫌い。
面倒だってこともあるし、自己満足・自己完結ってのもある。
また、文書化ってのは専門分野において非常に難しいというのもひとつ。
ただ、やらなきゃならないなぁと感じてはいる。
 
たとえば、ベテランのプロ野球選手が通好みのプレイをしたとする。
インタビュアーが聞く「どういう判断だったのか」
選手は「なんとなくいけると思った」「〇〇のタイミングで判断した」というくらいのことが多く
とても素晴らしい解説者が居たら「〇〇の時点で××の可能性があって、
相手が□と△を迷うことを想定し心持ち□の準備をしておいたんでしょうねぇ」とか
まぁ、判断基準となる部分を指摘することもある。
 
これが文書化の肝だと思う。
行った本人ですらあまり意識せずに判断している。
言語化するのは難しいし、正しいとも限らない。
無いと伝わらないし、あっても伝わらない可能性は大きい。
体育会系や職人界で「つべこべ言わず言う通りやれ」と言われて、
慣れてくると感覚的に理解するって学習が多いのも文書化しにくいか
師が文書化の能力に欠如してるかのどちらかか両方か。
#間違っていることも多いのも・・仕方ないのかも
 
肝を見極める段階で既にベテランの役割である。
たとえば機械工作で職人芸を数値化しましたとかあるんだが、
工具の動きや冷却制御を数値化したところでベテランが不要と言うわけじゃない。
工具選定やレイアウトが素人じゃまず出来ないことが多い。
ふたり居たベテランがひとりに減らすことが出来るってことだけ。
 
また、文書化されたからと言って、それが万人に読めるというか理解できるというのは間違い。
業界常識や用語はもちろん分かっている人が読まないと読めないし
なにもかも細かく書く必要ってのは無いだろう。
この基準も難しい。
どちらかと言うと教える行為を経験しないと勘や直感が働かない。
 
で、オチっぽいし長くなってきたので終わり(笑)